日本の訪日観光客の数は2019年までうなぎ上りに増えて、日本中がまるで外国のような賑わいでしたね。
この記事は、2015年~2019年まで筆写が経験した訪日観光客のボランティアガイドを通じて、楽しかった思い出を記録したものです。コロナ禍になる前と後では、あらゆる業界でやり方が変わらざるを得なくなりました。そんな中でも観光業界は最も打撃を受けた(受けている)業界の1つです...。
「古き良き思い出」を懐かしむ気持ちでこの記事を読んでくれると嬉しいです。
ボランティアガイドって、どんな風に準備してガイドするの?
という素朴な疑問に答えるべく(イヤイヤ、まだ誰も質問してないですが...)ゆるガイド代表のかりんが、ボランティアガイドの楽屋裏を紹介したいと思います。
※これから書く内容は、あくまでも一例です。レベル的には新人ガイドかな。
ガイドの翌日は、身体を休める安息日にしよう
ガイドの数をそれなりにこなして習慣化すれば、翌日にドッと疲れることもないのでしょうが、月イチペースのガイドではそうもいきません。
ガイド当日はつい頑張りすぎちゃうので、翌日の反動で動けなくなるのが怖いのです。よってガイドの翌日は、仕事や用事のないオフの日になるよう設定してます。
そうなると、週末ガイドが多くなりますね。旅行者と移動すると1万歩~3万歩くらい平気で歩いちゃいます!足から疲れが出ること多し(;'∀')
ゲストさんが決まったら、すぐに挨拶メールを
ガイドによっては自分の年齢を伝えているようですが、(日本人は欧米人より若く見えるようなので)私はノーコメント。会っても聞かれないですね。
自己紹介が長いのも引かれてしまいそうなので、名前と職業、趣味、ガイド当日の空いている時間帯を伝えてます。加えて性別も伝えた方が良いのかな...と感じたのは、欧米のゲストさんをガイドした時、実際に会うまで男だと思われていたからです?!日本の名前は性別が分かりにくいようで、それからは「female」を付け加えてますね。
ゲストさんとメールやwhatappで、ガイドルートを詰めていく
一番重要なのが、待ち合わせ時間と場所。朝からガイドならば、ゲストさんの宿泊先までお迎えが安心。
次に重要なのが、アレルギーの有無や食事制限など。ランチ場所を予め決めるための必須項目ですね。
ベジタリアンのレストラン記事も参考にどうぞ!
-
-
はじめてベジタリアンのイスラエル人を原宿案内してきたよ♬
こんにちは、かりんです。 およそ2か月ちょいぶりに、観光ボランティアガイドをしてきました。だって、夏のガイドはアツイし日焼けするし...で二の足を踏んでしまうんですよね。 しかし今回はナイトガイドのみ ...
ゲストさんの要望が具体的であればあるほど、こちらもガイドルートを立てやすい。日本に詳しくないゲストさんであれば、テッパンの観光スポットへ行きたいのか、観光地らしくない場所へ行きたいのか聞いてみる。
または、東京以外のどこを周遊するのか情報収集しておくと、『その場所にないもの』『東京らしい場所』を案内すると旅行後に喜ばれるはず。例えば、京都奈良へ翌日から行くゲストさんに、神社仏閣ばかり案内しても『神社仏閣』でお腹いっぱいになってしまうからご用心!そんなゲストさんには、お台場や銀座、原宿あたりが良さそうですね。
ガイドさんによって、メール回数は変わりますが多い人で10通くらい。数日前の直前ガイドだったら、1~2通で最低限の待ち合わせ場所だけ決めて、当日お茶をしながら打ち合わせすることも可能。
せっかく決めたガイドルートも、ゲストさんの気まぐれで、当日変更を余儀なくされることも(;´Д`)
こちらで一生懸命決めたガイドスポットを念入りに情報収集したり、もしくは下見に行って『さあこれで完璧!どんとこい。』と当日を迎えた朝、ゲストさんからの「〇〇は昨日個人で観光したから、他の場所へ行きたい!』とあっけらかんとリクエストされることもある。
まさに、涙なしでは語れない献身的なガイドストーリー。
酸いも甘いも経験しつくしたベテランガイドさんの中には、『何通もメール交換しても、当日には(ゲストさんの)リクエストが変わっちゃうのよね~。だから、細かく決めて固執しない方がいいわよ。』と仰います。
突然のリクエスト変更にも動じないためには、『困った時用の手持ちのガイドルート』が幾つかあると便利ですね。それぞれ、得意な街があるはずでは?!ちなみに私が得意な街は【上野公園周辺・浅草周辺・神楽坂・原宿表参道あたり】。このあたりならば、下準備無しでそれなりに案内できそう。
ガイドの難所は、レストラン探し
満足度の高いガイドを提供するのに欠かせないのが、食事処。ガイドを頼む理由の一つに、数あるレストランから美味しい食事を紹介してほしい!という期待感があるのでしょう。
日本人の感覚と違って、お国柄の好き嫌いもあるのでこれがムズカシイ(;'∀') また、ゲストさんがコスパ良くてほどほど美味しければOKなのか、高くても良いから本当に価値ある美味しい食事がしたいと思うか。
難しいのは、グルメのゲストさんでしょう。ゲストさんに美味しい飲食を提供することで定評あるガイドさんがおり、その方はプライベートでもグルメです。趣味と実益を兼ねて日頃から、旨いモノ情報を収集していらっしゃる。こういった強みのあるガイドさんは、口コミでゲストさんから指名されるのではないでしょうか。
ハズレがないのは、有名店にお連れする。(老舗蕎麦屋など)もしくは、ある程度のレベルが確保されている界隈でランチする。(お寿司なら築地とか、こだわりのレストラン街とか)
レストラン街は、同じフロアに名店が連なっているので混雑時を避ければとっても便利。食品サンプルがイメージしやすいので、わりとあっさりお店が決まります。

また、味よりも体験を重視するならば、『回転寿司』『食券を買うお店』『お好み焼きなどのパフォーマンス系』等へお連れする。ゲストさんは、経験できたことを喜んでくれるはず。
ガイド当日の持ち物
女性の場合のあったらいいな♬の持ち物紹介。
- 夏場は帽子。(日傘は嫌がられるのでNG)
- 日焼け止めスプレー
- 化粧直し一式
- スマホは必須(充電器)
- コンデジ
- ウエットティッシュ、ポケットティッシュ
- ビニール袋(ゴミ袋として)
- 冬場はホッカイロ
- ガイドブック(手のひらサイズのロンリープラネット英語版は、解説に便利)
- 無料配布の英語(その他言語)の東京ガイドブックと地図
- ガイド予定の英語説明(プリントアウト)
- ミネラルウォーター
- 小銭(神社仏閣へお参りするので)
待ち合わせ場所は、第一印象が大事。この日一番のスマイルで!(o^―^o)ニコ
ガイドの成功の鍵は、なんといっても笑顔。私がガイド面接試験に合格できたのは、『笑顔がいいですね~』と言われたからなんです。
どんなに優秀な方でも、ムスっとしたり偉そうな印象ではガイド失格だそう。穏やかで明るい印象を持たれるよう、ガイドの一日はスマイルを忘れずに過ごしていきたいもの。当たり前のことなんだけど、笑顔を絶やさないことって難しいんですよ~。気持ちが顔についつい現れてしまいますからね。
ですのでボランティアガイドは『ガイドをしてやっている!』『私は偉いんだぞ!』という気持ちが心の中に潜んでいると、傲慢な態度がにじみ出てしまうのでご用心!
その点、長く続けているベテランガイドさん達は、皆さん表情が穏やかで偉そうなところが一つもない!人格が顔に現れていて憧れます。
ガイド中は、自分のペースよりも相手のペース中心に動く!ガイドは脇役、ゲストさんが主役なのを忘れないこと
ガイドは脇役、ゲストさんが主役!
先日ベテランガイドさんから教わって『ハッ!』とした言葉。実際に主役ガイドさんはよくいるようで、主役ガイドさんのように自分が中心に動いちゃダメということ。
ガイドはあくまでも影からサポートする立場。そのことを忘れないでほしいそうです。
ガイド慣れしてくると、悦に入って得意げに案内してしまいがち...そんな時に我に返って思い出してみよう。
グーグルマップのおかげで個人で周る訪日観光客が多い中、あえてボランティアガイドをリクエストする訳は?
旅慣れている訪日観光客があえてボランティアガイドをリクエストする理由の一つに、『普通の日本人と会話してみたい。ガイドブックに載っている観光名所の話よりも、日本人の考えなどを知りたい。会話を愉しみたい。』等の経験を求めてリクエストするようです。
実際に『日本人はどうして○○なの?』など、日本人の日常生活についての質問をよくされます。
詳しくは、こちらの記事に書いてあります。
-
-
外国人観光客の素朴な疑問『ニッポンのココが知りたい!』の答え方。
こんにちは、かりんです。不定期に外国人観光客へボランティアガイドをしてます。 今日は多くはない私のガイド経験から、実際に外国人観光客から質問される『ニッポンの疑問⁉』について、簡単なもの〜難しいものま ...
ボランティアガイドの楽屋裏
一見愉しそうにみえる訪日観光客のボランティアガイドですが、実際に活動してみると愉しさだけではない苦労や努力もあります。
初対面のゲストさんとの相性もありますし、言葉の壁もあります。そして、ガイド日まで自身の体調などのコンディションを整えておかなければ…というプレッシャーも。
ボランティアガイドはあくまでも自発的な行動の上に成り立っているので、自分が動かないと始まらない!誰も背中を押してくれたり、引っ張っていってはくれないのだから。
ここまでやるの❓❓❓というほど至れり尽くせりのガイドさんもいれば、自分のできる範囲内で淡々とガイドする方もいる。そして、それはどちらも正解なんですね。
大切なのは、ご自身が息切れしない程度に愉しみながらガイド活動を続けていくこと。
自分も愉しく、お相手も愉しませる、世界中にいるお友達をおもてなしする気持ちでビジネスライクではなく、温かいガイドが継続していければ素敵だなあ...と感じてます。