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ゴールデンウィークのおすすめ東京イベント!ラフォル・ジュルネ2018演奏会レポート

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東京で毎年開催されるGWのイベントは、数多くあれどクラシックマニアにとって絶対にハズせないのが「ラ フォル ジュルネ」です。

何故そう思うの?と疑問を持ったかたは、筆者が参加した2018ラ フォル ジュルネ の演奏会をレポート読んでみてはいかがでしょうか。

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開催エリアが二カ所に増えて盛り上がりをみせた「ラ フォル ジュルネ2018」 

今年のテーマは「UN MONDE NOUVEAU モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」です。

 

古今東西、作曲者が新機軸を打ち出し創り上げた名曲の数々が取り上げられました。

もちろん発表当時斬新で評価の定まった古典のみならず、生まれたてのコンテンポラリーの新曲・即興演奏も披露されています。

時間的・地理的にも垣根を取り払われ、クロスオーヴァー的要素の高まった2018年のラ・フォル・ジュルネの個々の演奏の感想を綴ります。

今年は東武鉄道の協賛のもと、新たに池袋エリアが開催場所に加わりました。

地方の縮小を都市部で補ったということでしょうか、主催者の事情はどうあれ、通うに近く、料金的にも安い池袋エリアのコンサートは本当に重宝しました。

また、開演前に会場を流れるマルタン氏のフランス語音声がなくなり、素敵な開演曲に切り替わりました。藤倉大さんによる、チャイムをモチーフにした自然の息吹を感じさせる爽やかな曲です。

開催エリア・開催日ごとに演奏レポートを分けました。

 

ラ フォル ジュルネ 池袋エリアについて

池袋エリアでは、3日間で4つの有料コンサートを愉しみました。

 

53日(木)の演奏 

Road to freedom” by バーバラ・ヘンドリックス

 

憲法記念日のこの日、キング牧師の演説の一部が朗読され、“I’m Free”の言葉とともに現在に至る人種差別撤廃運動の歴史が甦りました。その熱い思いがヘンドリックスの透明な歌声を力強いものにしていきます。

 

曲はゆったりしたブルース調のものから、リズミカルなもの(バーバラはカシシを振って音頭をとる)まで多種多様、もちろんアメイジング・グレイス、サマー・タイムも歌われました。声を休める間合いはギター・ソロが取り持ちました。

色彩豊かな照明の変化もあり、舞台はニューオーリンズ風の赤く熱い空気に包まれました。

 

惜しむらくはマイク調整が悪く、反響が強すぎたことです。もっとナチュナルな響きを満喫したかったのが正直な感想です。

 

バーバラ・ヘンドリックス(S)マティアス・アルゴットソン(p、or)マックス・シュルツ(g)ウルフ・エングランド(g、照明デザイン)

 

“モンド・オートル~別世界より”by  渋さ知らズオーケストラ

期待しすぎていたせいでしょうか、思ったよりもつまらなく、退屈でした。もっと細切れな選曲、細切れなパフォーマンスだったら、よかったかもしれません。

「新世界」という長めの曲で、演出は空振りが目立ち(特にソロ・パートの扱い)、マンネリに陥っていたと思います。ファンの方、辛口でごめんなさい。

 

 

54日(金)の演奏

“キッズのためのシネマ・コンサート”~『チャップリンの移民』 by ポール・レイ(ジャズ・ピアノ)

ピアノの鍵盤の隅々まで、わがもの顔で弾きまくる華麗な指運びに感動を通り越して、唖然呆然です。彼には鍵盤の長さが足りないのではないでしょうか。

 

最初に前奏曲としてチャップリン映画の音楽をモティーフにした小組曲が演奏されました。

ファンの心をくすぐる選曲です。続いてチャップリンの短編無声映画「移民」を上映しながらの即興演奏です。これは今回のテーマ「新しい世界へ」に結びつく企画です。

音楽と映像が見事に溶け合い、感銘を高めました。音楽は過度に自己主張せず、映像を引き立てていたと思います。講談師ならずピアノ伴奏とこういう無声映画上映も味わい深いものです。

 

ラストの結婚のシーンでは華やかな「結婚行進曲」となりました。アンコールは言わずもがなの圧巻の即興演奏でした。

*余談ですが、帰りは芸術劇場一階のバー・レストランでベルギー・ビールを嗜み、まだ明るいうちから酔ってしまいました。

 

 

55日(土)の演奏

ラ フォル ジュルネの最終日は、池袋エリアから丸の内エリアへ移動しました。

安江佐和子(パーカッション)&舩山花菜(マリンバ)リサイタル 

 最初はデュオでスカルラッティの有名なソナタk.380です。(スカルラッティが500以上もソナタを書いたとは驚き!)このような親しみやすい曲だと何で演奏しても魅力的に響きます。今回は1番と96番も演奏されました。

 

続いてはヤコブTVのボディ・オブ・ユア・ドリームズをヴィブラフォン・ソロで。

この曲(テープ音声とのコラボ)は、昨年は視覚効果満点のダンスが披露されましたが、今年は安江さんのソロでなされました。バージョンの違いでこうも印象が変わるのかという思いです。声に合わせての打鍵はインパクトが大きいですね。

 

ピアソラ「ブエノスアイレスの夏」は舩山さんのソロです。若く運動神経がいいのでしょう。打鍵が正確で、横跳びも巧みです。将来が楽しみなアーティストだと思います。

 

最後は大太鼓小太鼓、フルに叩きまわるクセナキス「プサッファ」でした。曲の神秘は作曲者のみ知るといったところでしょうか。これも最後の振り返っての一打が見事に決まりました。

 

ラ フォル ジュルネ 丸ノ内エリアについて

丸の内エリアではイベント最終日の5/5(土)に、2つの有料コンサートと2つの無料コンサートを愉しみました。

 

井上道義&新日フィルハーモニー管弦楽団による伊福部昭作品 by 山根一仁(vn

伊福部昭:ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲

長めのゆったりした序奏部を独奏ヴァイオリンが痛切に奏で、やがて素早いパッセージが矢継ぎ早に出て、圧巻の演奏を繰り広げます。

 

古今東西のヴァイオリン曲に負けていない、伊福部の代表作でしょう。ラロのスペイン交響曲を思わす巨大さです。

もっとも一楽章には「ゴジラ」の音型が出てきて、そちらに心奪われてしまいますが。終始力強い山根氏のヴァイオリンはとても良かったと思います。

 

伊福部昭:日本狂詩曲

「夜想曲」と「祭り」の二部からなります。

 

「夜想曲」は辻芸人を思わす、切々と繰り返される物悲しいビオラソロの響きに、打楽器伴奏が加わります。伊福部芸術の原点を見る思いでした。

打って変わって「祭り」はめくるめくカオス的世界。最後に井上さん自ら指揮台を振り上げて祭りを演出、今年も至高のエンターテイナーぶりを発揮してくれました。

 

アブデル・ラーマン・エル=バシャ(pf)ピアノ・リサイタル 

 かねてから評価の高いエル=バシャ。協奏曲より個人リサイタルに真価が発揮されると信じ、チケットを取りました。予想にたがわず、大満足の演奏会となりました。曲想の構築美が実に見事でした。

 

演奏曲はショパン(バラード第1番、子守歌、幻想即興曲、舟歌)とラフマニノフ(前奏曲集から4曲。op23より2番、4番、5番。op32より5番)

 

ショパンはベートーヴェンのように響き、決して感傷的な作曲家ではなかったと思わせます。しかし、エル=バシャの真価は後半のラフマニノフにより発揮されていたように思います。

アンコールはシンプルで美しい自作の曲 compfine

 

オープンエリア無料コンサート@東京

丸の内ブリックスクエア一号館広場にて

クラリネット・アンサンブル“Grand Pavilion

田中正敏、郡尚恵、竹内未緒

 

クラリネット史を彩るモーツァルトなどの名曲室内楽。田中さんの「そんな怖い顔をして聴かないでください」とは言い得て妙でした。つい構えてしまいがちなんですね。

 

丸の内オアゾ一階「おおひろば」にて

矢島愛子ピアノ・リサイタル

 

曲目はショパンの「子守歌」、前奏曲op45嬰ハ短調、ポロネーズ第5番嬰ヘ短調、幻想曲ヘ短調など。情熱的で力強いタッチの演奏が光りました。曲のイメージをよく捉えて演奏に反映させていたと思います。

執筆者:徹 

 

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