ファッション&ART

新宿クリエイターズ・フェスタ2015へ行ってきた~西口編~

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夏の最後のイベントに、9月になったばかりの平日の午後、ふらりと芸術散策に出かけてみた。

新宿クリエイターズ・フェスタとは

8.21~9.6まで新宿駅周辺各所で行われるアート・イベント。アーティスト展、こどもアート、新宿アート・コンペティション、まち中アートの4本柱からなる。こどもアートは体験型、そして殆どの展示が無料なのも嬉しい。また、世界で活躍するアーティストから学生の作品まで、幅広くアートのいまに触れることができる。

 

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フェスタのちょっと困ったところ

展示場所には英語・日本語等のチラシ、ガイドブックがもらえるが、ガイドブックがあまり親切でないのが残念なところ。展示場所が新宿広域にわたるため、アクセスマップがかなり大雑把で(地図に大通りの名前すら記載無し)、はじめて訪れる人は間違いなく迷うはず。

実際、グーグルマップがなければ、辿りつけなかったかもしれない。さらに、西口はホテルや高層ビル内に展示されていたのだが、いざ建物に入ってみてもわりに地味な場所にあるため、右往左往しながら展示場所を探しました。建物に入ってから、もう少しわかりやすい誘導サインがあれば!!!なんて、観光目線で感じました。

きっと、イベントがある日は賑わっていたのでしょうが、それ以外の日もエコフレンドリーならぬアートフレンドリーならば、もっと広く一般の人に認知されて沢山の人が触れ合えたのではないかなと。

まぁ逆説的に捉えるとこの分かりにくさが、アートを探す探検のようで、わくわく感や展示スペースを見つけ出した達成感が「ヤッター!」と思わず独りガッツポーズを取ることになった訳ですが。

こんなアートフェスタはこれからもどんどんやってほしい!

否定的なことも書きましたが、期待以上に楽しめました。

◆いわゆる観光スポット一点集中型の六本木ヒルズやミッドタウン、お台場などにこういうアートフェスタがあっても余り面白くないかもしれない。アートがココにありますよ〜皆さん来てください!と自己主張しすぎるから。

◆新宿は東口の雑踏、西口の高層ビル群と相反する顔を持ち、散策範囲も広い。東口の派手な看板やカラフルなSHOP、西口の圧倒される高層ビル群。こんなアクの強い新宿の中で、ひっそりと「え?こんな所にこんな凄いものが?!」という発見がオモシロイ。

◆何より芸術散策とウォーキングがセットで愉しめるのが健康的で嬉しい。数カ所を周るだけで、数時間かかってしまうので、すき間時間にちょっと…という訳にはいかないけれど、急がずのんびりと散策する分にはかなり贅沢な時間を過ごせるはず。空いてるので、好きなだけ好きな作品の前にたたずむのも良し。運が良ければ、アーティストと対面して作品の話を聞かせてもらえるかも?!

 

それでは実際の作品へ

今回、新宿西口側のアーティスト展を中心に数カ所散策。新宿ファーストウエストのインフォメーションによると、場所がわかりにくく範囲が広いので、全てを一日で周るのは難しいと聞きました。

ルートは...............................

●新宿ファーストウエストビル⇒●京王プラザホテル⇒●新宿三井ビル⇒●新宿中央公園⇒●ヒルトン東京⇒●新宿オークタワー⇒●新宿グランドタワー

所要時間:7ヶ所 約2時間半(迷わなければ時間短縮)

 

河口 洋一郎氏 【巨大宇宙鳥】 at 新宿ファーストウエスト1階ロビー

世界的CGアーティストの河口氏が、新宿を「宇宙に一番近い都市」と表現した「進化型宇宙生物」を巨大なバルーンアートで表現。材質は浮き輪のようなもので、カラフルな鳥の異様な美しさに息を飲む。作品には空気が抜けないように常に自動的に空気が補充されていた。スースーという音と共に。よく見ると、トルコの魔除けのマークが沢山含まれていたけどこれは何か意味があるのかしら?

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藤本直明氏 企画・ディレクション 【ProjectedScape -the horizon‐2015】at 京王プラザホテル プラザナード1階通路

長さ27㍍の巨大な壁面をスクリーンに、アーティストや東京工芸大学 学生の共同制作。人の影がカラフルなサークルと共に通り過ぎて行く。スクリーンの中で移動する人々とオシャレなサークルの対比が愉しい。

かなり寂しいさびれた通路に突如現れた愉しい映像インスタレーション。暗く長い通路だからこそ、華やかな映像が生きてくる。良くこんな場所を探したものだ!と変なところで感心してしまった。

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エマニュエル・ムホー 【100 colors】at 新宿野村ビル北側テラス&新宿三井ビル 1階 55 SQUARE

東京在住フランス人アーティストのエマニュエルは建築士でもある。作品は、空間を色で仕切る「色切/shikiri 」というコンセプトを基に世界各地で展開している「100 colors」シリーズ。グラデーションのshikiriをまるで迷路のように辿っていく。各所にカウチがあり、座りながら眺めることもできる。

好きな色を辿るココロの冒険…深く考えずにココロの趣くまま、惹かれる色を探してみては?!

写真に撮ると何てことはない作品に見えるけれど、実際に身を置くことによって、ただ色を感じるのが心地よい。壁面には一番好きな色にシルバーのシールを貼るコーナーも。真剣に考えたりして、こういう参加型アートってわくわくしますね。

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保坂 俊彦 【ゴジラ】 at 新宿中央公園 水の広場

彫刻家の保坂氏の代表作は講談社「進撃の巨人」PR用砂像や日清食品「カップヌードル」砂像制作など。砂では難しい人体や動物等の細かな表現力に定評がある。

彫刻の面白い所は、あらゆる角度からみてもそれぞれの造形が愉しめるところ。このゴジラ作品は、真正面に本物の都庁が臨める絶景の公園で、この砂像のゴジラの背面に都庁の砂像がそびえ立っおり、あたかも、本物の都庁と砂像の都庁が向かい合うように立っているのが面白い。吹きっさらしの中央公園の中にあるデリケートな砂像作品。思ったよりも小粒だったけれど、精巧にできていて見応え十分。

この広場は、都会のオアシスで平日の昼間も数人の外国人観光客が憩っていた。もちろん、ゴジラの前でもおどけたポーズで記念撮影。

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山下 裕之【アナザーワールド】 at ヒルトン東京B1F  ヒルトピアアートスクエア

ガイドブック 写真家山下氏より

私達が夜眠りに着く頃、街の風景は別の顔を見せはじめます。昼間の雑踏とした光景とは逆に、夜の静寂さをドラマチックに切り取り、無機質で機能美な世界観を表現した作品を展示します。

偶然にも山下氏が在室中に展示を観れたおかげで、ご本人のお話を少し聞くことができました。

写真は都内を中心に、夜の繁華街、首都高、地下鉄、立体駐車場など幻想的な美しい写真ばかり。モノトーンの写真はより無機質に、様々なアングルでの写真が面白い。

一通り眺めているうちに何か違和感が感じたので山下氏に尋ねると、『意図的に人が写らない写真にした。』とのこと。なるほど、全作品中、渋谷の交差点を除いては全て無人なのである。もちろん、氏は人間のデータを後から消したのではなく、敢えて人がいなくなる時間やお正月などの人がいなくなる時期を狙って、およそ1年かけて取り続けた写真がこの展示にあった。その時は『いつも見慣れた光景とは思えない程、不思議な空間ですね。』などあまり気のきいた言葉は出なかったのだけれど、この異様さの正体がアレに似ているからだ?!と気づきました。

パラレルワールド=ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)

写真は上から撮影した立体駐車場。ちょっとタイムマシンで時空を彷徨っているようなイメージですね。山下氏は温かな雰囲気のフォトグラファーでした。

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ソメヤケンジ 【快楽依存症】 at 住友不動産新宿オークタワー

家具造形で『現代日本の立体造形家100人』に選出される。デザインからアートまでグランプリ受賞ほか入賞多数。

ガイドブック 造形家 ソメヤケンジ氏 より

この場所から逃れたい。日常という現実世界から逃れたい。しかし、その場は現実世界の鎖によって繋がれていた。現実逃避が幸せなのか?それとも、その場を安楽の地とすべきなのか?束縛されている事に快楽を感じる全ての人達にアイロニーを込めて捧げる。

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椿 昇 【鸚鵡(オウム)図】 at 住友不動産新宿グランドタワー

ガイドブック パブリックアートの鬼才 椿 昇氏の紹介より

美術と社会との関係を問い、独自のユーモアで衝撃的な作品を発表し続ける現代美術家。止まり木につかまる鸚鵡(オウム)が表すのは、多くを失いつつある現代への警鐘なのでしょうか。高さ9mの巨大バルーンアートは圧巻です。

とにかくデカイ!タイトルを見るまで、この物体が何を表しているか余りにも巨大すぎて判別ができなかった。魚?鳥?とにかく巨大な物体が必死にしがみついている様子は迫力満点。駅からは少し遠かったけれど、わざわざ足を運んでも見るべきバルーンアートです。必見☆☆☆

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奇想天外なアートに触れて、すっかり癒された新宿アート巡りでした。

毎年夏休みの時期にこの新宿アートフェスタは美大生や現役の有名アーティストによって、開催されるようです。

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