こんにちは❢
クラシック音楽に全く精通していないけれど、愛好家の旦那にずうずうしくも便乗して、コンサートを愉しんでるチャッカリ者の "かりん" です☆
ラ フォル ジュルネの夢のような音楽祭から、2か月半も経った今だからこそ、あの頃の思い出にふけって『コンサートDiary』を読んでみませんか❓
旦那さん独自の視点で書いたクラシック記録は、綿密で読み応えありますよん♪
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ラ フォル ジュルネ 2016 5/3~5/5
今年のテーマは「ナテュール」英語のネイチャーです。自然を題材とし、自然からインスピレーションを受けた曲を一まとめにした一大フェスティヴァルとなりました。また今年は天候に恵まれ、三日間とも快晴でした。この時とばかり、初めて三日とも会場を訪れました。うち最初の二日は有料コンサートで、最後の一日は無料コンサート・会場の雰囲気・食事(帝国ホテル・ブースのケーキはお薦め)を楽しみました。
料金アップの関係もあり、今年の有料公演は4公演に絞りました。
141 自然へのオマージュ~至福の一日への序曲
戸田弥生(ヴァイオリン)ハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団&マールトン・ラーツ(指揮)
ペールギュントの朝(グリーグ作曲)に始まり、戸田さんのヴァイオリンでヴォーン・ウィリアムズ「揚げひばり」です。イギリス風というよりは、東洋風のなだらかなレガートに包まれたヴァイオリンでした。これはこれで味わい深いです。ただ終盤の客席のざわつきが残念でした。後半はチャイコフスキー(「花のワルツ」)、レハール(アドリア・ワルツ))、ワルトトイフェル(「クリスマスのばら」)のワルツ曲3曲。次々と登場するワルツのメロディーにこれからのフェスティヴァルへの期待が高まっていきました。オケ・指揮共にとても乗りが良かったです。
143 夜の神秘~夏の夜のロマンス
浜田理恵(ソプラノ)マカオ管弦楽団&呂嘉[リュー・ジア](指揮)
メンデルスゾーン「夏の夜の夢」序曲
オーケストラは立派でした。日本のトップオケに引けをとりません。出だしが音を外さずぴたりと決めてくる。安心して音楽に身を任せられました。きびきびして颯爽とした若きメンデルスゾーンが奏でられました。
ベルリオーズ:夏の夜
浜田さん容姿がだいぶ変わられましたね。それはともかく、声は素晴らしかったです。陰影の濃い劇的な歌唱というよりも、明瞭な朗らかさです。一番有名な「君なくて」の伸びやかさは心に響きました。オーケストラもゆったりと構えとてもよかったです。
252 小川典子ピアノリサイタル
情緒的でなく、透明感溢れるピアノでした。曲目ではドビュッシーよりも武満徹の「雨の樹素描」菅野由弘「ピアノと明珍火箸のための『水の粒子』」の方が印象に残りました。明珍火箸の音は生で初めて聴きましたが、冴え冴えと魂の奥底に谺するような響きでした。アンコールはドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
曲目
ドビュッシー:雨の庭
武満徹:雨の樹素描
武満徹:雨の素描Ⅱ─オリヴィエ・メシアンの追憶に─
ドビュッシー:野を渡る風
ドビュッシー:西風の見たもの
ドビュッシー:月の光
ドビュッシー:月の光がふりそそぐテラス
ドビュッシー:荒れた寺にかかる月
ドビュッシー:水の反映
ドビュッシー:オンディーヌ
菅野由弘:ピアノと明珍火箸のための『水の粒子』
ドビュッシー:雪は踊る
ドビュッシー:雪の上の足跡
223 音楽の冒険~藤倉大が考えるLa Nature
村治奏一(ギター)笹久保伸(ギター)へんみ弦楽四重奏団、永見竜生(サウンド・プロダクション)
原初(ミニマル)のサウンドが集結しました。アンデスの音楽、アフリカの奥地のジャングル、巨大な松明を囲んでの熱狂的な踊り。旋律らしい旋律はなく、駆け巡る音階であったり、不協和音の狂騒、シンセサイザーのシンプルなロングトーン(野生動物の吼え声付き)だったりします。それらを通じて音楽の原始空間が見事に再現されました。ライヴでしか体験できない貴重なコンサートでした。
曲目
藤倉大:Chance Monsoon
坂本龍一:Forest Symphony
武満徹:エキノクス
大友良英:after 10 days
ペルーの伝統音楽
藤倉大/笹久保伸:「マナヤチャナ」より
D.シルヴィアン:Trauma
藤倉大:Flare
無料コンサート
5/3
◎矢島愛子のピアノで
スクリャービンの作品(3つの小品、24の前奏曲より)。左手がすごいと解説し、確かにそのとおりと納得。
◎作田聖美のアルト・サックス演奏
通りがかりに聴く。最後の「くまんばち飛行」が印象的。
◎高橋多佳子&宮谷理香ピアノデュオ
モーツァルト:二台ピアノのためのソナタより第一楽章
サン=サーンス:動物の謝肉祭より
チャイコフスキー:花のワルツ
人気二大ピアニスト、華麗なる衣装(ピンクとブルー)で豪華な共演。「花のワルツ」は連弾ならではの難しさがあるようでした。
5/5
◎小林倫子ヴァイオリン・リサイタル
エルガー:朝の歌 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ4番「春」第一楽章 ヴァーン・ウィリアムズ:揚げひばり(ピアノ伴奏版) エルガー:愛の挨拶
ここで小林さんのヴァイオリンが聴けるとは思ってもいませんでした。「揚げひばり」はピアノ伴奏版での演奏(ピアノは津嶋啓一氏)。きっちりした明確な音で丹念に積み上げられた演奏。最後に新丸ビル3階アトリウムの吹き抜け天井に音は高く吸い込まれていきました。ベートーヴェンも構築美がありました。またリサイタルがあったら、聴きにいきたいヴァイオリニストです。
※無料コンサートは早目に行けば席を確保できますが、席なしで立ったままという場所もありますから、確認しておくとよいでしょう。立ち聴きは結構、足腰が鍛えられます。
執筆者:徹(ペンネーム)
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